アメリカが量的緩和の出口を模索しているというニュースは去年しきりと報道されました。一方、日本のほうは依然として大規模な量的緩和を続けていて、そのせいで去年は随分と円安ドル高が進行しました。次の円の行方を決める大きな要因はFRBの政策発表ということになるでしょう。先日ヨーロッパが市場の予想を上回る量的緩和の実施を発表したことで、それまでのドル高ユーロ安に拍車がかかる結果となりました。円に対してもユーロ安となりましたが、ひょっとすると今後はそれほど円安が進まないのかもしれません。円安が進まないかもしれない、というのは、ユーロに対してだけではなく、他の通貨に対してもです。

まず、ヨーロッパが大規模な量的緩和を発表するまでは、日本の量的緩和の度合いが際立っていました。そのため、様々な通貨に対してひたすら円安に進んで行っていました。しかし、ここへ来てヨーロッパも大規模な量的緩和を始めたので、日本の量的緩和の度合いが相対的に目立たなくなってきました。更に、最近、シンガポールやトルコなども政策金利を引き下げました。金融緩和が世界的なトレンドになってきたのです。その原因は、原油価格の急落によるインフレ率の低下です。今後も世界的な金融緩和のトレンドが続けば、円安は止まり、今後は段々と円高になっていく可能性すらあるのかもしれないと思います。